辻乃森音楽師  〜シューベルト断想&創作〜  

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zoom RSS シャボン玉と蝸牛など (小詩)

<<   作成日時 : 2016/07/18 20:52  

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食器洗剤を垂らした
 しゃわしゃわした布で
 いわゆる食器を洗っていると、
 シャボン玉が舞った。
 直径一ミリの10分の1くらいの
 数個のシャボン玉が。
 
 屋根まで飛ぶこともなく
 静かに流し台に降りて
 消えた。
 
 わたしは
 散歩途中、足元を蟻が歩いているのを見つけると 踏み殺さないよう、足を運ぶ。
 同時に、家の中で蟻が這っていたら
 ぶち殺す。ティッシュで。
 腕にとまった蚊も同様ではある。
 
 アジサイが紫色の
 静止した万華鏡となって
 雨粒を光らせている。
 でも、最近、蝸牛はなぜかいない。
 
 蝸牛がいっぱいいたので、
 子どものころ、殺したことがある。
 殻を割って。
 川岸を舞う蝶々を
 安物のテニスのラケットを振り回して
 打ち落としたこともある。
 ヒステリックに。
 わたしは学校という世界では
 蝸牛であり、蝶々だった。
 
 しゃわしゃわの布で
 次の食器を洗ったが、
 シャボン玉は
 生まれなかった。
 

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
洗い物をしていて、ふと小さなシャボン玉が飛ぶとき、一瞬時間が逆回転して遠い昔に還ることがあります。
庭先で洗濯をしている母は笑っていて、盥いっぱいの泡でご機嫌に遊んでいる幼い私。ながらうことなく、文字通り儚い泡と消えてゆくシャボン玉は、さながら懐かしい思い出のようです。

雨の多いこの時期になると、たくさんの蟻が家の中に入りこんできます。律儀に隊列を組んで、みな同じ方向に移動していく。さすがに初めてのときはぎょっとして殺虫剤を振り回したものですが、ふつかもすれば、現れた時と同じように忽然と姿を消すことがわかってからは、年中行事と目をつぶることにいたしました。
蟻をころすと雨が降る・・・ トンボはご先祖様のお使い・・・子供の頃、祖母がよく言い聞かせるように言っていたことを思い出しますが、蟻やトンボはともかく、蚊には私も容赦なし。浮かんでは消えるうたかたの泡と同じ私たちなのに、殺意や悪意はどこからくるのでしょう。何者かがふるいにかける命ならば、いつかまた、私たち自身も淘汰される日がくるやもしれません。
天網恢恢疎にして漏らさず。大きすぎて見えないものは確かにあるのだと思います。

梅雨も明け、いよいよ夏も本番ですね。
冷たい水で洗い物をする時間が気持ちの良いひとときになりますように。
aosta
2016/07/19 07:03
Zu-Simolinさん。ご無沙汰してごめんなさい。遅くなりましたが、本日拙著『ヴィルヘルム・ミュラーの生涯と作品 ―― 「冬の旅」を中心に』が東北大学出版会から上梓されましたので、ご報告します。紹介ページはこちらです。
http://www.tups.jp/book/book.php?id=354
なお、拙Webサイトはプロバイダーにより閉鎖となりました。ご連絡が遅れて申し訳ありません。しばらく前にメールがすべて消えてしまい、コメントでのご挨拶となったことも、お詫びいたします。渡辺美奈子
渡辺美奈子
2017/07/06 15:38

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